ifの世界(友人×雅史)

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「……わり。」  ピタリと動きが止まった。友人は短く謝ったあと「半分はお前のせいだけどなぁ?」と、茶化すような顔をして鼻をぎゅうっと摘まんでくる。 「痛い痛い、ごめんてwww」  堪らず笑うと、友人は短く溜め息をついた。「ばぁーか」なんて言ってるけど、顔は優しく微笑んでいたりする。  腕を掴まれ力強く引き寄せられると、こちらが力を入れなくても上体が起こされ、間近に迫った友人としっかり目が合った。  そのまま(ついば)むようなキスを何度か繰り返して、お互いの額と額をくっつけてクスクス笑いあう。 「もう平気そうだな。」 「おかげさまでwww」 「しゃーねぇな。よし、立て。」 「は?」  おもむろに立ち上がった友人によって何故か窓際まで運ばれた。俺は訳がわからないまま真っ暗な外の景色を窓越しから眺めるように立っている。  背後にいる友人に包み込むように抱き締められていると、ここが都会にそびえ立つ高層マンションの最上階なら、窓から見える夜景もロマンチックなんだろうなぁ……なんて思ったり。  だけどあいにくここは、都会でもなければ高層マンションでもないし、窓から見えるのは街灯に照らされた駐車場、どこから見ても庶民的な風景だ。 「お前なにやってんのwww」  窓ガラスには困惑する俺と、俺の肩口に顔を埋めている友人が映り込んでいる。まさか俺と駐車場を眺めたかったわけでもあるまいし、何が目的でこんな体制をとっているのか疑問で仕方ないのですが。 「お前、上に乗られんの嫌いだろ。」  くぐもった声で言われたのは、もはや俺らの間では指摘するまでもない事だった。問いかけるのではなく確信めいた発音だったのもそのため。  なんで今更そんな事――と思いながら軽く頷いたら、友人の笑ったような吐息がうなじにかかって、少しこいつの考えが読めた気がした。 「もしかしてお前、このまま続ける気じゃないでしょうねwww」 「他に何すんだよ。」 「おおむね同意だけどさぁ、1つだけいい?」 「あんだよ。」 「聞き返しながら触るんじゃないよwww」  男らしいゴツゴツした手で、肩や腰をやんわり撫で回される。おまけに密着してるせいで誤魔化しきれない体の一部が、腰より更に下の位置でその存在を主張してくる。
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