第1章 2ー2

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二人の姿が、やがて階下に続く角の向こうに消えていく。 志穂は脱力したように長い息を吐いた。 「いい加減にしないと退学になるわよ」 強い口調で言いながら、志穂は修司を睨み上げた。 が、修司の妙に神妙な顔つきに眉根を寄せた。 「どうしたの?」 「あいつ、何者だ?」 二人同時に口を開いた。 志穂はその言葉の意味が判らず、小さく首を傾げてみせた。 「何者って……神主さんの孫よ」 「そういう意味じゃねぇよ」 苛立たしげに言葉を遮られる。 志穂は困惑したように修司を見上げた。 「あいつ……」 「なぁに?どうしたっていうの?」 「さっき、あいつの……」 途中で語気が弱くなり、修司はそのまま口を閉ざした。 「あ……。いや、なんでもねぇよ。きっと見間違いだ」 修司は何かを否定するようにゆるゆると頭を振ると、やがてゆっくりと歩き出した。
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