第1章 4ー2

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「知らねぇわけねぇよな、この町の言い伝え。俺は」 「知ってるわよ。自慢じゃないけど、もう17年もこの町で暮らしてるのよ?」 皇太の言葉を遮り、志穂は口早に言った。 皇太は驚いたような表情を浮かべたが、すぐに鋭く志穂を睨み付けた。 「だめよ、そんな目をしたって。本当に恐くなんてないもの。言い伝えなんて作り話だし、現実と結びつけるなんてナンセンスだわ」 皇太に口を開く暇も与えずに、志穂は強い口調で言った。 皇太の目がじっと志穂を見つめる。 まるで心の中を探られているような感覚が志穂を包み込んだ。 やがて、皇太は諦めたように小さな息を吐くと、志穂から目をそらして歩き出した。
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