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少年は手にしたサングラスをかける一瞬、鋭い視線を彼女達に向けた。
(あの人がなんだって言うのかしら)
女性達を振り返り見て、志穂は訝しげに眉を寄せた。
少年が足元のスポーツバッグを持ち上げ歩きだした。俯き加減に歩く志穂の横を通りすぎて行く。
肩越しに振り返ると、女性達がまるで逃げるように立ち去って行くのが見えた。
志穂はその凍てついた空気の中で、何かが起こりそうな予感を漠然と感じていた。
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