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まあ、Gはおいといて……と、私は慇懃な笑顔で依頼者に語りかけます。
「その、農作物の育ちが悪いというのはどのようなものなのでしょう?」
「ん、ああ、これよ」
そう言うと依頼者は畑の端に積み上げられたモノを顎で指し示しました。
見れば積み上げられた代物はお世辞にも商業用とは言えないような奇形でした。
手にとってみると、ゴツゴツとした触り心地。
又の先端が丁度、頭を仰ぐように婉曲し、それでもって無粋な突起物も備わったR型の様な奇形物。
言うならば……、こう何か、鳥居みたいな……。
「神……社……?」
口を衝いて出た言葉に反応して、依頼者は口を挟みます。
「ジンジャー。
いわゆる生姜よ? 私、ここに植えた覚えがないだけに一層不気味でしょ?」
……アナタのGの方が不気味ですよ。
と、言いそうになるのを抑えて、適当な相槌でもって流します。
「そうでしょうか? 私は可愛くていいと思いますけど……。
でしたらいっそ、売りに出されたら如何でしょうか?」
「これだから社会に出たことのない小娘は甘いわね、いい? 商品というものは全て均一に揃っていないとダメなのよ」
かぶりを振って応える依頼者の姿を尻目に、私は日本の豊穣神にSOSを要請することにしました。
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