太陽神の降臨

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私は藪笹神社に住んでいる。 そうはいっても何だか分からないので、補足をします。 恐らくはこの町、いやこの市全体でもこんなに古い神社は見た事ない。 それがこの神社に大抵の人が抱く第一印称というもの。 「今日は美咲にとって大事な日だからね」 初夏。セミが思い出したかのように煩く鳴き始めた頃でした。 父に連れられ巫女姿の私は御神体の柱――所謂、降霊媒体の前に居座ります。 あっ、申し遅れました――私は神代美咲。魔術師見習い兼、巫女です。 今や世界中を支配する“科学“の他に一般に“魔術“と呼ばれる都市伝説レベル的存在。 中でも“魔術師“はそんな“魔術“を継いでいこうぜっていう物好きの集まりなんです。 そしてそんな魔術の行事の一つが、今まさにこの“降霊“と呼ばれるものなのです。 「で、美咲はどんな降霊媒体にするんだ?」 父が急かすので、説明もかねて進めます。 「ポッキーにしようかなと思っています」 「え……なん(」 降霊媒体とは霊を呼び寄せるための道具――言わば認証番号みたいな物。 何かを使えば、それに一番関連のある霊が呼び寄せられるというシステムです。 「強いていえば、台所に置いてあったので、まーいかーこれでー、と思ったのです」 「お父さん、変なの出してもしらな(」 因みに、石ころとか葉っぱとか使うと高確率でコロポックルが出てくるらしいですよ。 て事で、今に至るわけです。
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