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誰よりも大切な人が僕らの前から去っていった次の朝、教会の人が僕らを迎えに来た。 幼い僕らには確かに大人の庇護が必要だった。 でもどうして、君が居なくなってからだったんだろう。 どうして君と一緒には居られないんだろう。 誰にともなく問いかけるけど、その答えを本当は分かっていたんだ。 「君は僕らに甘すぎるんだ。 エータ」 君の優しさが、僕の胸を未だに締め付けている。 「なんか言ったか?」 「何でもないよ、兄貴」 少しだけ月日が経ったいま、君が1番に守りたいものは何だろう。 そして僕はそれを許せるだろうか。 その答えは、もうすぐ分かる。
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