第三章

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召喚科にはタキがいる。 テルの双子の兄で、自分の大切なもう1人の幼馴染み。 真っ直ぐな彼のことだ、自分が姿を現せば過ぎた日の件について問い詰める為に捕まえに来るだろう。 大切に思う人の手を振り払わなければならない事を考えると会うのが辛い。 「召喚科のエリアでは私がエータの傍を離れない」 「ティア」 強い風に掻き消されないよう、腕を引かれて近付いた距離から真摯な眼差しと共にそう言われた。 「だから、一緒に行ってくれないかい。 学園の危機ならば放ってはおけない」 そうだ。緊急事態なんだ。 「分かった。 行こう…と、その前に」
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