プロローグだろうか

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―――725年。 当時はまだ研究者に分類されていた者達が、カンナギ平原にて前衛へと初めて派遣された。 「…援軍か?」 それまでほぼ非公開だった戦力に皆が戸惑ったけれども、僅かでも勝率が上がるならばと反対意見は出なかった。 「味方なら何でも良い!」 善戦しているとはいえ拮抗状態が続き、守りに徹しているこちら側としては早く諦めて帰ってくださいとしか言えない。 「少しでも人数が増えたら気が楽だな」 戦況の変わらない戦いが続けば疲労が蓄積され、また回復や温存も出来ない。 しかし気を抜けばそこを突かれる。 「敵前で何をしている! お前らは前方だけを見ていろ!」 緊張感に満たされた激戦区は新たな増援の到着によって久方振りの希望を見たのだ。
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