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「は~、平和が一番」
心からしみじみしてたら、すかさずツッコミが入った。
「じじくさい。ピカピカの中学生が何言ってんだよ。むしろ、刺激を求めろ」
それはそれで問題発言だった。
「ほっとけよ。平和だからこそ、存分にフィクションの世界を楽しめるってもんなんだから」
じじくさい、なんて不名誉なツッコミを受けたのは俺、鈴城 健。
中学1年。
莉夢堂学園中等部に入学して約1ヶ月。
平和な学園生活を満喫してる。
「それで、さっきから何読んでるんだ……って、また天乃 洵綺か」
「またってなんだよ。よく見ろ、新刊だろ。それに、天乃作品は、読めば読むほど味わいがあるんだからな」
「はいはい」
と、いちいち俺の発言を拾ってはツッコんでくるセンター分けメガネは、同学年の林 彰羅。
クラスの違う彰羅とこうして付き合いがあるのは、こいつが図書局員だから。
俺が図書室に入り浸ってるもんだから、自然とこんな仲になっちゃってる。
ところで、どうして俺が図書室に入り浸るようになったのか。
それは、この学校に入学した理由が関係してたりする。
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