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尚紀の歌声が辺りを支配する。
修学旅行の時に行った、カラオケで歌った時とは違う。
そんなのは比では無い。
いつものヘラヘラした尚紀では無かった。
ホント、尚紀が何を考えているのか分からない。
ライバルの歌を上手く歌う?
それにはなんの意味がある?
気づいた時には、
尚紀は歌い終わっていて、満足そうな表情をしてシートから下りた。
「……す…、スゲ…」
ポカンとした表情をする青羅。
青羅の気持ちは分かる。
…でも、なんで。
『キクラゲ』の歌を歌えばいいはず。その方が歌いなれて、尚且つ歌いやすいはず。
何を考えている…?
尚紀。
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