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「怖がらなくてもいいのですよ。私は貴方にチャンスを与えにきたのです。そう誰にも負けないぐらい美しくなるチャンスを」
「――あのどういうつもりかわかりませんが、私なんか勧誘しても無駄ですよ。大してお金も持ってないですし――」
瞳の言葉に女は、
「お金の心配は必要ないですよ。貴方は選ばれたのですから」
と言ってふふっと不敵に笑う。
(選ばれた?)
女の言葉があまりに怪しく感じた。
「あの。とにかく私はそういうのいいですから」
言って瞳はその場を急いで立ち去ろうとする。
「本当に良いのですか? 綺麗になり生まれ変わるチャンスを不意にして? 貴方が拒むなら構いませんが。このままじゃ彼氏にも捨てられ、また惨めな人生を送り続けるだけですよ」
「なんであんたにそんな事言われなきゃならないのよ!」
瞳の心を抉る言葉に思わず彼女は激昂した。
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