~美への憎悪と憧れ~

54/62
前へ
/371ページ
次へ
――それは、泰子がいつもどおりアバターゲームに熱中している時の事であった。 『ウツクシクナリタイさんが貴方に挑戦したがっています。勝負を受けますか?』  画面上に突如現れたメッセージ。  別のアバターの持ち主から対戦を申し込まれたのだ。  泰子は相手のプロフをタップし、アバターを確認する。  思わず唾を飲み込む音が部屋に広がる。    泰子の目は輝いていた。  挑戦者の持っているアバターはどれも泰子が理想とするパーツばかり、しかも全てがレア物だ。  泰子は迷うことなく挑戦を受けた。  このゲームにおいて泰子はこれまで負けた事が無い。  絶対の自信があった――  だが蓋を開けてみれば……画面上で横たわっていたのは泰子のキャラだった。  
/371ページ

最初のコメントを投稿しよう!

804人が本棚に入れています
本棚に追加