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部屋を入ってすぐの所に立っていたのは、黒いスーツに黒サングラスの女。
その謎の訪問者が再び、
「美しく――」
と口を開いた直後。
泰子が女の顔面目掛けて、その豪腕を振るったのである。
だが、泰子の拳は女の顔を捉えるどころか掠りもせず。
あっさり躱され、勢い余ってバランスを崩した泰子は、部屋の外の壁にぶち当たってしまう。
それでも泰子は怯むことなく直様立ち上がり、右の岩のような拳を女に向かって放った。
空気をぶち壊すぐらいの勢いで放たれた一撃は、今まさに女の顔面を捉えようとしている。が、しかし直後泰子の視界が反転し、部屋の床に己が背中を叩きつける事となる。
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