~美への憎悪と憧れ~

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 泰子は床に寝そべったまま、暫く呆然と天井を眺めていた。  しかし我に帰ると、頭を右手で抑えながら上半身を起こして女の方へ振り返り、 「て、てめぇ! 一体誰た! 勝手に人のうちに入り込みやがって!」 と吠えた。  正直普通であれば真っ先に出そうな言葉だが、問答無用で先に手を出してしまう辺りが泰子が泰子たる所以であろう。 「ふふっ。本当に野獣みたいね。面白いわ」  女は曲げた人差し指を口元に持っていき不敵に笑う。 「質問に答えろや!」  鬼のような形相で泰子が女へ問い詰める。だが先ほどの件で多少は警戒心を持ったのか、自然と女との距離を取っていた。
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