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「だからこそ貴方は美を憎み、嫌悪し、そして――徹底的に破壊した。でもそれでも本当は美に憧れていた。だから――仮想世界に逃げたのね? そこでなら元は関係ない、自由にパーツを組み換えいくらでも美しくなれ――」
「やめろぉぉぉお!」
泰子は叫び再び女に飛びかかる。
だが結果は同じだ、女は向かってくる泰子の力を利用し軽々と投げ飛ばしたのだ。
そして倒れた泰子の首に右腕を回し締め上げる。
「あ、ぐ、うぉ」
呻き声が泰子の口から漏れた。
「全く本当に猛獣ね。まぁその方が面白いけど」
女は泰子の耳元でそう囁くと、少しだけ腕を緩めた。
「げほっ――なんなのよあんた。一体なんの目的で――」
「あら最初に言ったじゃない美しくなりたいか? って聞いてなかったの?」
「そんなの無理に決まってるだろうが! 私の姿を見ろ! どうやっても美しくなんてなれっこないんだよ!」
「そんな事はないわよ。アバターと一緒よ元が駄目なら全てを変えれば良いだけ」
「全てを――変える?」
泰子が目を丸くさせ復唱するように問う。
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