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泰子は端末を指でまさぐり電源を探す。
ふと指先に触れる引っかかり。
これかと泰子はその部分を強く押した。
普段からタブレット端末を使いこなしてるせいか、初めてさわる機器にも関わらず扱いは手馴れたものである。
電源が付き、画面の真ん中に、
『ウツクシクナリタイ?』
という赤い文字が現れる。
泰子の表情に不快の色が現れたが、メイン画面が表示されると、太い指で器用に画面をタップしていった。
「何だこれ? パーツとかわけわかんねぇし」
一人泰子が呟く。
一通り画面の内容を確認し終えると、泰子は再び手紙に目を通す。
「ベッドの下……今度こそ食べ物とかあるわよね?」
ぶつぶつとそんな事を言いながら、泰子はベッドの下をみようとしたが――
その肝心のベッドは完全に裏返り、しかも所々捻り折れ曲がっている。
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