プロローグ

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現世の人間が見たらそこを理想郷―アルカディア―というだろう。 死なない世界、なんて素晴らしいんだと 生も愛もない世界、ヒトは理想郷で理想郷を夢見る。 それは、現世と常の世の狭間の世界。 死者はその世界でかつて愛した者の死を待つ。 そこにいる誰もが「死した愛しき者が門-ゲート-を通って自分を迎えにくる」と信じる そんな世界。 「ゲートは閉ざされた。我らはこの世界に永久に幽閉され、迎えの者も二度と来ることは有るまい。」 人々は、閉ざされたゲートを破ろうと武器を取った。 しかし、幾千もの軍勢が攻撃してもゲートにはひびひとつ入らない。 そして、軍勢はみなゲートに巣くう魔王によって四肢を食いちぎられ、首をもがれた。 死者である為に尚も意識はあり死者ながらにして生き続ける人々は願った。 魔王を倒す勇者の現れを 人々は勇者の育成に力を入れこの世界から奪還を図ることにした。 そんな時代のお話。
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