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「てなわけで~魔王を倒す為には聖剣が必要なんだとさ。」
「わぁぁ、ポチおねーちゃん紙芝居ありがとう!」「スッゴく面白かったよ。」
「みんな聞いてくれてありがとう、続きはまた明日ね!」
「「「はぁい、バイバーイ!」」」
自然に囲まれたアルプスのような牧草地。
紙芝居を子供たちに聞かせている、腰まである軽いパーマのかかった茶色い髪とぱっちりと開いた黒い目の少女。
名を、ポチ・エルメス
本小説の主人公とはこの娘―――――
「シェルゥ~明日こそあんたが紙芝居読んでよね!いつもサボってばっかりじゃない!」
「えぇ~あまり子供好きじゃないんですよね、私。」
――――――の隣に退屈そうに座るこの娘である。
シェル・シュバルツ
片口までの獣を思わせるふわふわとした栗色の髪は毛先の方だけ黄緑色で、白い肌から覗くたれ目は毛先と同色の黄緑色。
遠まわしな書き始めであったが、彼女こそ本小説の主人公。シェル・シュバルツ、本人曰わくシェルの発音は「しぇる」ではなく「しえる」だそうだ。
シェスタを「しえすた」と呼ぶそれに似たものなのかもしれない。
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