プロローグ

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この世界の舞台設定は小説概要の通りだが、あれより少し時が経った。 ここで少し細かい世界観を紹介しよう。 まず、この世界では自分が死した年齢で生活する。ゆえに大半は高齢者だ。 この世界で一番高い山にある門-ゲート-から死者はやってくる。 やってきた死者はこの世界で、再び生を開始する。つまり、ゲートを潜るとこの世界でだけ人々は生き返るのだ。 否、[生まれ変わる]という方が正確である。容姿、財産、記憶、すべてを失いこの世界に皆やってくるのだから。 しかし二つだけ、現世から持ち込むことが出来るものがある。名前と愛しき人に関するナニカだ。 ナニカには、愛しき者から贈られたものや、写真、極希だが思い出を持ち込んでゲートを潜る者もいる。 ゲートを潜ると記憶はないが自分が死んだこと、現世での個人の記憶に差し支えないほどの常識とこの世界のシステムが頭にはいっている。 人々は前世の愛しき者をただひたすらこの世界で待っているのだ。 現世で愛しき者が死すと自分の前に現れ、共に常の世-天国-へ行くのだそうだ。 しかし、そのシステムが正常に機能していたのはもう4年も前の話。 ゲートは魔王によって塞がれた。魔王を倒そうと若者たちが立ち上がりそのものたちを[勇者]と呼び、人々は激励した。 今は、魔王をおそれてかゲートから離れた場所に人々が集まり都がでいている。 ちなみに、主人公がすんでいるのは都よりも遥にゲートから遠い田舎の酪農地だ。 月に一度都の人々にミルクを売りに行くのが仕事の喉かな村である。
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