2人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもの公園の芝生の上で青年は寝転がってる。
その横に少女が体育座りをして座ってるが、緊張しているのか顔が強張っている。
二人の間を夜風が吹き抜けた。
それを合図にしたかのように少女が口を開く。
「私は...私は貴方と出逢ってから、貴方と話して、 貴方の考えを教えて貰って、本当の自分を見つけれ たと思います...いえ。見つけました」
少女は一言一言想いを言葉にしながら相手に伝える 。
一言言葉を伝えるたびに、心臓がドキドキと脈打ち 言葉が震えてしまう。
その間も青年は寝転がり目を瞑って話しを聞いてる 。
「貴方と出逢ってから日々、色々なことを考え悩み ました。貴方はそんな私をめんどくさがらず気持ち 悪がらずに、横に居て色々なことを聞いてくれまし たよね?私はそんな貴方に感謝の気持ちでいっぱいです。それと同時に...好きな気持ちが生まれました 」
好きと言葉を出す前に色々な考えが頭を駆け巡った 。
嫌われたらどうしよう。
気持ち悪がられたらどうしよう。
怒られたらどうしよう。
私の前から消えてしまったらどうしよう...
けれど、相手が消えてしまう恐怖よりも好きだという想いが上回る。
やっと好きと伝えれた。
相手の反応が怖くて顔を見れない。
好きと言葉に出したあと、今まで仕舞っていた想いが次々と湧き出てそのまま言葉になる。
「好きとわかってから、貴方と逢うといつもドキド キしていました。私はいつも横に居られたらどんな に楽しいだろうとおもっ!?」
想いの歯止めがきかなくなった私を止めたのは相手 の手だった。
いつの間にか寝転がってた相手が体を起こして、私の頭にポンッと手を置いて撫でてくれる。
撫でられた所から相手の想いが伝わってくるかのよ うに暖かくなる。
「大丈夫。好きの一言で君の想いはわかるから」
柔らかい口調が私を包み込んでゆく。
「けれど、いいのかい?俺、女性不信なんだけど」
そう相手は女性不信なのである。
最初のコメントを投稿しよう!