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少女はパッチリした目、ふっくらとして柔らかな唇 、肌は真っ白な汚れを知らないような肌、おかっぱ の髪型をしていて日本人形のような可愛らしかった 。
「あの、タバコの灰が落ちそうですよ」
「あっ!熱っ!?」
タバコを吸っていたのをすっかり忘れていて、慌てて携帯灰皿を出そうとして灰が首のとこに落ちてしまった。
「大丈夫ですか!?ちょっと待っていて下さいね」
その少女は背を向けて公衆トイレのある方に、学ラ ンをなびかせて走っていった。
「学ランをなびかせて?普通セーラー服のはずだが ...あっ、あの子男の子なのか。顔立ちがあまりにも 可愛かったから少女だと思った」
ちょっと普通の男としては残念なような、女性不信 としては嬉しいような気分になる。
複雑な心境だ。
そんなことを思っていると少女が走って戻ってきた 。
手には水に濡れたハンカチを持っているのが見える 。
「はぁ...はぁ...はぁ...火傷したとこ見せて下さい」
息を切らしながら額にうっすらと汗がにじみ出てる 。
どれだけ急いだのかが伺える。
「ああ。ここだけど」
「失礼しますね」
そう言うと男の子は顔を近づけながら火傷した所にハンカチを当てて冷ましてくれる。ってか、顔近い!近い! 男の子とわかっていても、こんな可愛らしい顔して ると女の子に思えてしまう。
もしかして、女の子が男装してるのか?
そんなことを考えていたら、男の子がこっちを上目 つかいで見てきた。
そして、俺と顔が近いことに気づいて顔を真っ赤にした 。
「きゃっ!ごめんなさい!!」
「いいよいいよ。気にしないで」
男の子なのに女の子みたいな反応するなあ。
その後、男の子からハンカチを渡してもらって、話 すこともなかったのでお互いの自己紹介をした。
男の子は、高校一年生の15歳で名前は佐藤空(さとうそら )。
今日は考え事があって公園に来たみたいだ。
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