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男の子は芝生の上で体育座りをして、その横で自分 は寝転んで。
タバコで火傷したのを懲りずに、またタバコを吸いながら話していた。
「考え事?」
「はい。話しにくいことなので、一人で考えていま した」
「そっか...時間はたっぷりあるんだから、ゆっくり 考えてみるといい。」
「そうですね。お兄さん、答えが見つからなかった らどうすればいいですか?」
「そうだなぁ...誰かに話して、その人の答えを参考 にするといいかな」
「答えを参考?アドバイスを貰うんじゃないですか ?」
「アドバイスだと、そのアドバイスしてくれた人の 言うとおりにしなかったら。後々その人が『どうして自分のアドバイス通りにしなかったんだ』と思っ て。不快に思ったり疑問に思ったりするかもしれな いからかな」
「じゃあ答えを参考にするのはなんでですか?」
「それだと相手は質問に答えただけで、アドバイス はしてないから、相手の答えと違う答えを出しても あまり不快には思わないからね。ただ疑問は浮かぶ かもしれないけれど、そこは相手の性格次第かな」
そう言ってタバコを一息吸って味わいながら煙を吐 き出し、男の子にアドバイスを言う。
「結局はどんなアドバイスも答えを聞いても、最後には自分で答えを出すしかないんだ。そこで答えを 出さないと自然と周りに合わせるようになって、自分の本当の答えは出ないよ」
「...」
男の子は何も言わなかったが、チラリと横を見てみ ると、眉を寄せて真剣な顔して考えてる表情が伺えた。
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