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ピピピッピピピッ、ピ……。
「………」
枕に顔を埋めたまま頭の上あたりにある携帯電話に手を伸ばし、俺は目覚ましを止めた。
何十秒かそのままの格好で、霞んだ意識を無理やりに起こす。
端から見れば間抜けな光景だろうが、幸いにそんな俺を見るものはここにはいない。
何故ならば───。
なんて、大袈裟にいうほどのこともない。
ただ単にここが、俺の通う学校の学生寮で、俺の部屋だから。
「……ふ…あぁ…」
なんとか体をのそのそとベッドの上に起こし、軽く伸びをしていると、あくびが出た。
「……………ねむ……」
やばい。目が開かねえ……。
そのまま後ろへ倒れこみたい衝動をなんとか耐え、何度か目をこすりやっと強情な瞼をゆっくりとあげた。
「………だる…………」
ぼーっとしながらもとりあえずベッドから立ち上がり、カーテンを開ける。
「─っ」
眩しさに一瞬ひるんだが、おかげで少し気分もスッキリした──ような気もする……。
現在の時刻、午前5時半ちょい過ぎ。
俺はまだまだハッキリとしない意識と体を起こすため、シャワーを浴びにバスルームへと歩いた。
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