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「…きれい…」
咲き始めた桜に心を奪われて
屋上からしばらく桜を眺めている。
「ねえあんた、知ってる?」
横から聞こえる少し高めの男の声。
「………わあああ!」
びっくりした!
誰よ!いつからそこにいたのよ!
「あ、いきなりごめん」
「あ、いえ」
ちらっと横を見る。
……………………誰だっけ?
見たことはあるんだけど……。
整いすぎた横顔をじいっと見る。
──────あ、思い出した。
「……小林柊だ」
「俺、一応先輩なんだけど」
そう苦笑いされる。
「あ、すみません…」
「いや、いいよ。てかよく俺の名前知っていたね」
「女子が騒いでいましたから」
あれだけ騒げば
いくら興味がなくても覚える。
小林柊(こばやししゅう)
ひとつ上の
美少年
という言葉がよく似合う先輩。
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