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「あんたは騒がないんだな」
「騒がれたいんですか?」
そんな訳ないだろ、とまた苦笑い。
ふわっと風が花を散らす。
ふと横を見ると先輩の
黒い少し長めの髪が風になびく。
「そういえばさっき何を…」
「ああ。桜が人々を魅了する理由を知ってる?」
「理由なんてあるんでしょうか?」
柊「…そう言われるとないかもね」
何を言っているの、この人。
杏「先輩は何て答えるつもりだったんですか?」
柊「んー、秘密?」
この人絶対ふざけている。
───キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴る。
さすがに次の時間は教室に戻ろう。
「もう戻るの?」
「さすがにもうサボれないですよ」
「じゃあ俺も戻ろうかな」
私の頭をくしゃっと撫でて
またね、と私に告げてから
先輩は屋上から出ていった。
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