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「何それ。小林柊、絶対あんのこと好きじゃん」
本田響子(ほんだきょうこ)はスマホから目を離さずにそう言う。
「いや、ないでしょ」
初対面だっつの!
「えー。好きでもないのに頭なでたりしないでしょ」
「女の子なら誰でもいいんじゃない?」
ああ、と納得した表情の響子。
先輩は本当にモテる。
周りにはいつでも可愛い女の子がいて、彼女が切れたことはないらしい。
女好き。
だからきっと誰でもいいのだ。
そういえば、と響子が私を見る。
「あん、昨日の男子とはどうなったの?」
「え、と…」
「え!もしかして振ったの!?」
ははは、と苦く笑うと
けっこうかっこいい子だったのに
と返ってきた。
そういうかっこいい子がつきあう理由はきっとステータスの為。
“つきあっている”ことが大切。
だから誰でもいいの。
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