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とりあえず、ベットを借りようと
腰を上げた。
ガラ───────ッ。
「………小林柊」
「だから俺先輩だってば」
幼さの残る笑い声。
きれいな顔をくしゃっとさせる。
彼はゆっくりとこちらへ近づいて
私の額にそっと触れる。
「熱は?」
「え?」
「熱は計ったの?」
「あ、はい。37.8℃でした」
けっこう高いな、と
保健室の冷蔵庫を物色する彼。
「…勝手に開けていいんですか?」
「大丈夫じゃない?」
「もう…。私知りませんからね」
「はいはい」
相手にするだけ無駄だ。
もう寝ようと思った時────。
「あ!あったあった!」
弾んだ声が頭に響く。
具合悪いんだから静かにしてよ。
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