1. 来客

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「・・・ん」  何か、重要なシーンだった気がする。夢―――だったのか。  朝日と鳥たちの声に目を覚ました。なんて言ったら優雅なお嬢様のような起床だが、ただ朝がきて目が覚めただけだ。  懐かしい夢だったなぁ。  昔、父さんと暮らしていた頃の夢。  あの頃は父さんが始末屋葉月家最後の当主とされていた。しかし、最後の当主となったのは葉月葉一だった。  一見するとどこにでもいそうな、オッドアイが特徴の十七歳の女の子だが、その実は裏の第一線で活躍する始末屋だ。依頼されれば、例え人であろうと始末する。  今のところ人の始末依頼は来てないが、舞い込む依頼は全て完璧にこなしてきた。 「葉一さま」  ドアをノックする音と、若い女の声がした。 「ああ、開いてるよ」 「失礼します」  入ってきたのは、透き通るような金色のロングヘアーが特徴の二十四歳の女性だった。身長は158㎝で青い瞳がよけい日本人離れした雰囲気を持たせているが、一応日本人。普段着はいつも愛用の和服姿で、体重は極秘事項らしい。 「おはよう、金。今日は珍しく早いね」
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