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背丈もすらっと長く、185㎝ある。普段から黒スーツに真白なワイシャツで黒ネクタイというそれこそ執事のような格好で、齢は金と同じ二十四だ。
「たまには飼ってもいいんじゃない?」
「そうですよ、葉一さま公認ですよ!?」
「ダメです。いくら葉一さまがいいと仰っても、あなたは世話をしないこと確実なんですから、それが条件だというのなら、とても認められませんね」
「金ってそんなに世話嫌いなの?」
「いえ、世話が嫌い・・・というより、飽きてしまうんですよ」
「ああ、なるほど。要するに、始めは可愛いし楽しくてしょうがないけど、段々興味が薄れて面倒になるってこと?」
「ええ、まさにその典型例といったところですね」
「そんなことありません! ちゃんと世話しますよ!」
「私がいる前では、通用しませんよ」
「っぐぅ・・・」
さすがに二人は付き合いが長いので、白は金の抑え方を心得ている。
「どうしても白は金が飼うのに反対なんだ?」
「ええ、例え葉一さまの許可があろうとも、途中で世話を投げ出すことが目に見えて―――」
「じゃあ、私が飼うよ」
「ですから、いくら葉一さまが―――なんですって?」
「だから、金が飼うのに反対だっていうなら、私が飼う」
「葉一さまぁ・・・!」
感激した金は涙を溜めて葉一に抱きついた。
「葉一さま、後悔しますよ」
白は慌てて止めに入るが・・・。
「いいの。確かに金だけが飼いたいっていうなら私も止めたかも知れないけど・・・」
「と、言いますと?」
「私も気に入ったのよ、この猫」
「・・・そうですか、そう仰るのであれば、すぐに手配いたしましょう」
「お願いね」
「よーし! じゃああたしも今日は余計に張り切っちゃうぞー!」
「いえ、あなたはダイニングで寛いでいて結構です」
「なんでぇ!? 洗濯とか料理とか色々あるのに!」
「全て済ませましたので」
「全部・・・?」
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