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「……んうっ、ちゅっ……」
「もごぁぁあぁぁ……!」
「……んっ」
凍夜の啄むようなキス。正直暗闇だからパッと見は女の子っぽいけど、男という事実を知っているため悲しくなる。
しかも甘い。めっちゃ甘い。リンゴみたいな味がするのがなんだか悲しい。このままでは俺は悲しみを背負った戦士になってしまう。
こ、こんなに……こんなに悲しいのならば、愛などいらぬっ!
「……ん……ありがとう、龍影君」
「ドウイタシマシテ」
「……そ、それでね? 今日、一緒に寝てもいい?」
「……………………ジャンケンデカッテナニモシナイナライイヨ」
「……本当?」
まるで聖帝のように号泣しながら自分の人生の意味を考えていると、口を離した凍夜がそんなことを言ってきた。
今まではたまに一緒に寝ていたが、凍夜が俺を狙っているって話なら話は別だ……! この勝負、絶対に負けられん!
まぁ、今まで一回もジャンケン負けたことないし? 俺、なんかすごいらしいし?
「……じゃあ、いくね」
「おう。じゃーんけーん、ぽ――――」
ん、そう言おうとした瞬間、俺は俺の体の上に跨っている凍夜を見て――――戦慄した。
凍夜の背後に何かが、いる。いや、亡霊とか妖怪とかいった物じゃなくて、何かこう、スタンドみたいなオーラというかなんというかそんなものが凍夜の背後に、いる。
そしてそれに気圧された俺は、ついついその背後の何かに気を取られ――――思わずグーを出してしまった。
「……ぽん。僕の、勝ち」
「 」
「……えへへ、やったぁ」
「嘘やん……」
そしてもたらされた結果は――――俺の敗北。
凍夜は勝利のパーをうっとりと眺めながら微笑む。
おかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしいおかしい。
なにあのスタンド、卑怯でしょ。え、マジであれ何? え、なんなの? 原作者が「シンフォギアGXヒャッフゥ!」とか言ってることと何か関係あるの?
「ば、バカな……」
「……龍影君。今までね、ずっと秘密にしていたんだけどね……」
「え?」
「……僕、とんでもない運気を持っているらしくてね。大抵のことは上手くいったり、当たったりするんだ」
原作チートキタアアアアアアアアアアアアアアア!
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