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「まぁ、行かなかったらアンタも中卒のニートだけどね。私と同じように!」
「胸張って言えることじゃねぇからな、それ。はぁ……行く、行くよ。くそっ、行けばいいんだろ」
「よく分かってるじゃない」
性悪だから胸が貧相なんだよ。
そう思うと、姉はパンフレットだと思わしき物を置いて対面のソファに座る。
はぁ……相変わらず、この姉は頭のねじが数本どころか数百本ふっとんでやがるな。
まぁ、どうせその聖フェニックス学園とやらでも女の子と恋くらいはできるだろ。できればショートカットでニーソが似合うクーデレがいいです。
そう思いながらパンフレットを手に取り、ざっと中を見ていく。
「えーっと……あ、全寮制なのか。って、なんか学費とか高そうだな。おい姉さん。これ、学費とか大丈夫なのか?」
「お父さんとお母さんがべガスのカジノで200億ほど稼いだから大丈夫よ」
「何やってんだあの夫婦……」
そう呟きながら資料を見て、俺はある文に目が行った。
『この学園は男子校です。女子の入学はお断りします』
(´・ω・`)あれ、おかしいな……何か変なことがかいてあるぞ?
「なぁ、姉さん……」
「んー?」
「この聖フェニックス学園ってさ、共学だよね?」
「男子校よ」
「共学だよね」
「男子校っつってんだろうがクソムシ」
…………えっと。
「はあああああああああああん!? 男子校!?」
「そこに書いてあるでしょうに」
「ざけんな! 何が嬉しくて男子校に行かねぇといけねーんだ! あれか、三年間女子と触れ合えずに灰色の青春を送れってかぁ!?」
「うるさいな……。あ、制服とかはもうあるから大丈夫。荷物はちゃんと纏めておいてね」
「嫌に決まってんだろ!」
「あ、とりあえずBL的な展開とか報告しなさい。あと、イケメンと絡んだりしねて。アンタ、馬鹿だけど顔だけは私と同じで無駄にいいから」
「ノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオウ!!」
「拒否権は無し。逆らったら……家から追い出す」
もうこの姉に常識という物は無いのだろうか。
鳳凰高校も辞退され、かと言って聖フェニックス学園に行かなかったら中卒ニート確定。
浪人と言えば少しは聞こえはいいかもしれないが、それで高校に入ったら周りは年下……俺の明日はどこにあるんだ……。
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