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「グフフッ……楽しみだなぁ……」
「……」
いっそ殺そうか、と本気で思ってしまった中学三年(卒業)の3月だった。
◇◇◇
そしてあれから一年。入学当時は色々とモテたが、それが全員男なので拒否反応を起こした。
何が嬉しくて男にモテねぇといけないんだ……。
そしてそんなこんなで、ついに俺は悟った。
そもそもこの聖フェニックス学園は金持ちが集まる超名門。ぶっちゃけ、履歴書に書くだけでかなり優遇される。
そう、三年。三年間耐えればいいだけなのだ。
姉はBL的な事を報告しろと言ったが、それはあくまで『BLな展開があった時』の報告だ。
つまり、だ……『今日は何も無かった』で済ませればいいのだ。
そしたらまぁー、バカな姉には効果覿面だったようで、『そう……』といった感じで騙せた。
ザッマァアァァァァァァァァ!! 自分の欲望を満たすために弟を死地へと送りこんだ報いだバーカ!
まぁ、実際は周りでは常にウホッ、な展開が腐るほど発生してるんだけどね。
BLだけに腐るほど、ってか? やかましいわ。
「……龍影君。龍影君」
「ひゅおおおおぉおぉぉおっぉおぉぉぉ!? 凍夜、ビビらせんな!」
「……あぅ。ごめん」
我ながら上手いことを言った、と思っていると、後ろから名前を呼ばれて突かれた。
後ろを振り向くと、そこには眼鏡をかけた美少年と言っていい少年が困ったような顔で立っていた。
名前は如月凍夜。この高校で唯一の友達であり、ノーマルな男子である。
寮の部屋も同じで、最初は貞操の危機(前後)に脅えていたが、ノーマルだと分かって晴れて友人となった。
俺の数少ないオアシスです…………女の子だったらよかったのに……。
まぁ、ここに通ってるから普通に金持ちなんだが……うん、ギャップが酷いね。
どうしてこう、ここの連中は1万もする定食を普通に注文するんだろう……ペットボトルの水だけで3000円とかおかしいな?
「で、どうした?」
「……その、その、もう放課後だから帰ろうって言おうとしたんだけど」
「あー、もうそんな時間か」
泣きそうな顔になっている凍夜にそう言われて時計を見ると、確かにもう放課後だった。
ったく、昔のことを思い出していたらいつの間にかキングクリムゾンしちまったよ。
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