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『……龍影、大好き』
『もう! またアンタは無茶をして……』
『『兄様、大好き!』』
「ウェヒヒ……お前ら、俺の体は一つしかないって……はっ」
クーデレなお嬢様やツンデレ幼馴染や双子美少女に言い寄られている時、俺は目を覚ました。
くそっ……鳳凰高校にさえ行っていれば……!
なんとも鬱な状態の中、時計を確認するとまだ6時だった。
うぇぇ……中途半端な時間に起きちまった。今から二度寝しても意味なさそうだしな……。
「よし、散歩に行こう(適当)」
そう思った俺は、ジャージのままベットから起き上がってそのまま部屋を出る。
凍夜の部屋を覗くと、そこにはすやすやと眠っている凍夜の姿があった。
あれで女の子だったらな……即プロポーズしてたってのに。
などと思いながらもリビングに書き置きをしてから、財布を持ってクロックスサンダルを履いて寮から出る。
エレベーターから降りて、寮の外を出ると少し冷たい空気が顔に当たる。
「はー……いつもは車やらなんやらでうるせぇけど、こうしてみると静かなもんだ」
広大な敷地の中を歩きつつ、俺は適当に学園の入口の方まで歩いていく。
そして、俺は校門のところに誰かが立っているのを確認する。
生徒か? いや、生徒は全寮制だから学園の外に出れないし……宅配業者か? けど俺、アマゾンで何も頼んでないはずだが。
てか、こんな朝早くに宅配業者が来るわけないか。
などと思いながらその人物を遠目に見る。
その人物はどこからどう見ても不審人物で、瓶底眼鏡に黒いボサボサの髪で高級そうなコートを着ている。
身長は結構低い。凍夜と同じくらいだろうか。
( ´_ゝ`)ふーん。あんな身形でも金持ちかよ。
(‘A`)死ねばいいのに。
などと格差社会を味わって死にそうになっていると、不審人物A君が俺に気付いたのかこっちを見てくる。
こっちみんな!
「おーい、お前! なぁ、そこのお前!」
と、手をぶんぶんと振りながら大声で叫んでくる。
近所迷惑なので大声を出さないでください。
「お前だよ、そこのお前! なぁ、真っ黒な服を着たお前!」
「はぁ……だるっ」
このまま無視して寮に帰ってもいいのだが、あと後面倒なことになりそうなので俺はしょうがなく近づく。
あなたと合体したい、的な変なこと言ってきたら即通報しよう。
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