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「王が白虎に向かった真の理由は、自分の息子と娘を探す為だったんです」
「意味が……解らん
だって…あんたが娘なんだろう?」
「確かに私は、正真正銘朱雀王の娘です
答えは簡単です。
私と貴方は双子なのです」
「俺とあんたが…双子!?」
女は『はい』と答えた
しかしここで矛盾が出来た
「それじゃあもう一人の娘は誰なんだ?」
「それが……まだ誰か解らないんです
貴方は私が覚えていたので、見つけた時は嬉しくて飛び上がるかと思いました!」
「それじゃあ、なんであの時あいつを助けてくれなかったんだ!?
もしかしたら、あんたらが探してる人だったかもしれないじゃないか!」
「………貴方が言っていた人って女性だったんですか?」
「そうだ!
しかも年齢は13歳ぐらいで顔はあんたとうり二つだったぞ!」
「そうですか……不覚…ですね。貴方を見つけた時は貴方を助けるのに必死でした」
「なら今すぐに助けに行こう!
俺、白虎の隠し道を知ってるんだ!」
「駄目よ!
絶対に行かせない!」
「なんでだよ!
すぐに助けなくちゃいけないんだ!!
あいつは白虎の王に酷い事をされてるんだ!
早く助けてやらなきゃ!」
「だとしても、今は助けれないの!!
貴方が脱獄した事できっと軍備が上がってるわ
今朱雀には人手が足りないの!」
今助けに行っても返り討ちにされるだけって事か
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
「簡単な事です。
貴方が強くなれば良いんです!」
リリィは少し興奮ぎみに言った
「リリィ…だっけ?
あんたが強くなれば良いんじゃないか?」
「確かにそうなんですけど、私は攻撃型じゃなく援護型なんですよね…」
「なるほど
だから俺は、今だに拘束を解けてないわけか」
「あぁ!ゴメン!
すぐに解きます!」
俺はようやく鎖から解放された
「分かったよ
俺は強くなる。そして、あいつを助ける!」
今、ある事を思い出した
「なぁ…俺の名前って何?名前を覚えていないんだ」
「そうなんですか。
解りました。
貴方の名前は、『カマル・ユーティリティ』です」
「カマル…か
ようやく知れた
自分の名前」
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