異世界へ

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あたしはイヤリングに手をかけ、彼女に尋ねる。 流石にこれをしたままじゃ、カヅキを守れる自信がない。 「構わん、信頼してるぞ?親友」 ふっ、とカヅキは悪意も何もない笑顔であたしを見る。 ナズナを呼び出したときみたいな、文字の羅列が彼女を覆っていった。 「そう言われちゃ、期待に応えるしかないわね」 あたしはそう言って、イヤリングを外す。 今度は無くさないように、ポケットに入れながら。 カヅキは目を閉じると、ネズミ取りを開始したようだった。 「自動書記開始」 彼女の周りに紙が舞い、すごい勢いで文字が浮かび上がっていく。
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