異世界へ

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積まれた紙の束が文庫本位の厚さに成った時、廊下とは反対の壁が吹き飛び、瓦礫がカヅキ目掛けて飛んできた。 「シールドッ❗」 不可視の盾を、瓦礫が当たる寸前で張る。 カヅキの魔方陣には触れていないようで、安堵した。 瓦礫の向こう、のっそりと姿を現した合成獣にカヅキは苛立ったようで、 「残り100分…頼むぞ?」 軽く肩で息をしながら、あたしにそう告げる。 「あいよ❗ ナズナっ‼」 「任せろ」 ナズナはレイピアの柄に手を掛けると、身を低くした。 「生きて帰れると思うな」 彼が走る寸前、あたしはナズナに身体強化の魔法をかける。
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