異世界へ

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「そろそろ私も姿を消すかな…ナツキは貴音似だしな…よし」 カヅキはそう呟くと、自分の体組織を組み替え始めた。 髪が伸び、瞳が赤く染まり、背も縮んでいく。 「……カヅキ、か…?」 数分後、カヅキの変化は完了したようだった。 「他にいまい?お前の目は節穴か?小僧」 くっくっ、と笑う以外は彼女の要素がまるでない。 ソファーにふんぞり返って、見下しているその姿にあたしは両手をあげた。 「あ。あざみさんだー」 「おぉ、お前と私が大好きな薊さんだぞ?」 カヅキは笑みを浮かべて、あたしを撫でる。 そこは変わってないんですね、カヅキさん。
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