異世界へ

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舌っ足らずではない、普通の口調に戻して彼に聞くと、くぐもった声で返事を返す。 「お前を失ったら、生きていけないくらいだ…」 その言葉に、肩を竦めた。 将来、リューネ国を背負って立つ人が、たかが一人の女に執心して生きていけないとか…困った人だわ。 「愛されてるなナツキ、良かったじゃないか」 カヅキはククと笑み、異空間を割いて紅茶を取出すと、一口飲んだ。 「……この姿でいれば、ナズナに襲われないのになぁ…」 「襲ったことは一切ないだろう⁉」 ガバッ、と身を起こして、彼は反論してくる。 いや、ありませんけどね?
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