異世界へ

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すぐに意識が暗闇に閉ざされる。 暗闇から一転、あたしは明るい場所にいた。 これが夢なのだと自覚するのは、何度目だろう? 花畑の中で、あたしの隣に昔のカヅキと麻人が座っている。 二人ともあたしに向けて、優しい顔で笑っていた。 こんな場所に来たことも、二人がこんな風に笑うこともなかったのに。 昔に戻りたいと、思っているのだろうか? 戻れるはずがないのに? あたしは夢の中で苦笑する。 と、瞬間その場面がブツッと途切れて、 「まぁいいか…起きろナツキ」 カヅキの声と振動で起きた。
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