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「っ、ナズナ…‼」
あたしは彼がいるであろう扉に駆け寄り、斬り裂いた。
そこで、油で顔をテカらせているおっさんと、鎖で宙吊りになったナズナの姿を見つける。
「おやおや…タチバナ博士かと思いきや…可愛らしいお嬢さんがやって来たものですな。ここは君のいる所じゃない、帰りなさい」
穏やかな声音だが、妙にまとわりつくその声に、あたしは胸元を押さえた。
「あたしは、ナズナの護衛だ。あたしの大切な人を返せっ‼」
「あぁ、この人質のことか」
おっさんはにたりと笑うと、腰につけてた剣でナズナの頬を軽く斬る。
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