異世界へ

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「見た所、トラップは無いみたいだ…」 「ナズナ、ナズナぁっ❗ ねぇ、起きてよナズナっ‼」 あたしは鎖を掴み、それを鳴らしながら、泣き始める。 なんで起きないの? なんで返事してくれないの? こんなに叫んでるのに。 こんなに呼んでるのに。 「落ち着けナツキ、泣くなって…今下ろしてやるからな?ナズナ」 カヅキは、魔武器だと思われる槍を展開すると、 「結べ‼」 鎖を斬り、彼が自由になる。 一瞬の間を開けて、ナズナが落ちてきた。 それを受け止め、あたしは床に寝かせる。 「ナズナ…」 泣きじゃくりながら、あたしは彼の手を握った。
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