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カヅキは刀を構えると、臨戦体勢に入っているナズナへと駆けた。
あたしはただ、それを呆然と眺めるしか出来ない。
嫌だ、嫌だと心が悲鳴をあげる。
頭を抱えて、あたしは蹲った。
耳を塞いで、心の波が過ぎ去るのを待つ。
何時間経っただろう?
もしかしたら、数分だったのかもしれない。
あたしはふと、顔をあげた。
「……………………シャル…」
虚ろな目をしたナズナが、あたしの名前を呼ぶ。
「そうだ、お前は…お前は誰だ、何の為に生きている?」
カヅキがナズナに語りかけている。
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