異世界へ

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そう言って、あたしから体を離した。 「立って大丈夫か?」 手の中にある蜜柑を弄びながら、カヅキは彼に聞く。 若干ひきつった顔をしていたのは、見て見ぬふりをしておこうと思う。 「少し頭がクラクラするが、問題ない」 あたしもナズナのせいで、頭がクラクラします。 それに、体が熱いし。 どうしてくれる。 カヅキの手から蜜柑を取り上げると、背後のあたしを見ずに彼は蜜柑を投げた。 「蜜柑、死守っ‼」 あたしは寸でのところで落ちそうになった蜜柑をキャッチし、じゃれつく。 この肌触り、この輝き…蜜柑って素晴らしいよねっ‼
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