1007人が本棚に入れています
本棚に追加
そして夜半、あたしはふと思い立って、ナズナの腕から抜け出し地下研究所に向かう。
『我が主、こんな夜更けにどうしたのだ?』
【お体に障りますよ、我が主】
二人の問いかけに、あたしは無言で地下へ降りて研究所の明かりをつけた。
そこには
「やっぱり」
黒色(コクショク)の長方形が二つ並んでいる。
これは、義父さんの物じゃない。
あたしは一つに触れ、呟く。
「薊」
途端、金属の触手があたしを包み込んだ。
一瞬の後、あたしはヴァンツァーを身に纏っていた。
ヘルメットを脱ぎ、苦笑する。
あの親友に、抜け目があるはすがない。
最初のコメントを投稿しよう!