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ドン、と鈍い音が響く。
「これ、未整理分です。あたし、町を見回ってきますんで。んじゃ」
扉を開け、音が立つよう閉める。
だから、あたしは義父さんが呟いた言葉が聞こえなかった。
「王妃でも、領地を治めていた方はいましたよ、シャルロット?」
全く、義父さんは何を考えてるんだか。
ムッとしながら、あたしは歩道を歩いている。
冬なのに、町は賑わっていた。
商業区、住居区、歓楽区と区分けされているこの町は、全て義父さんの手腕によってここまで大きく発展しているのだ。
先代はそうもいかなかった、とは義父さんの言だが。
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