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だって、欲しいって言ったらなんかねだってるように聞こえるじゃない?
それだけは絶対に嫌。
ねだって婚約指輪買ってもらうなんて、どんだけ欲しいんだよって思うもん…。
俯いて黙りこんだあたしにナズナは苦笑し、一人で装飾品屋さんに入っていく。
数分後、白い箱に入った指輪があたしの目の前に差し出された。
「…遅くなって悪かった。贈ってなかったっけな」
「ナズナ…」
「マリッジリングは、期待しててくれ」
そう言って、あたしの額にキスを落とす。
嬉しくて、あたしは泣いてしまった。
「シ、シャル?」
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