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「前にも言ったと思うけど、あたしの年は変わらないよ。容姿だけ変えて、中身はそのままに転生させてもらった。前の世界は、両親と妹がいたの。この世界より技術が進歩しててねー、山に囲まれてるっていうのに、排気ガス臭いところだったわ」
語り始めたあたしを、ナズナは黙って見つめている。
聞いてきたのはナズナだから、喋りまくってやるけど。
「桜って花が咲く春にね、あたしトラック…自動で走る馬車みたいなもんに轢かれて死んじゃってさ。ま、そのお陰でナズナに会えたからいいんだけど」
「…シャル。もし、戻れるなら…戻りたいか?」
「そうだねぇ…」
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