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その笑顔に、少し恐怖を覚える。
もしも、ナズナがあたしにその感情を向けてきたら。
あたしは…泣いて、死んでしまうかもしれない。
「シャル、いくぞ?」
差し出された手を取っていいのか、一瞬だけ迷う。
だけど、そんな迷いをナズナは払拭するかのように、無理矢理あたしの手を取った。
「そんな不安そうな顔するな。何も心配ない。俺の女はお前だけだ」
「…はい」
ナズナの手を握り、あたしたちは西棟三階へ向かう。
途中、クロエがにやにやしてこちらを見てたので、階段から蹴り落としてやったが。
いかにも成金、ってな感じの扉を蹴り破る。
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