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一人手酌をしていたのだろう、男はワインをグラスに注ぐとそれをナズナに向ける。
「どういうことだ」
「王は、我々貴族の意見に背かない。体よく言えば傀儡なのだよ。だが、そんなだらけきった王に、反感を抱くものだっている。私がその一人だ」
そう言うと、男はワインを飲み干した。
ナズナは腕組みをして、男に反論する。
「親父がイエスマンなのは、俺も重々承知している。だからこそ、俺が玉座についたら国を変えるんだ。どうしてそこまで待つことが出来ない?」
「貴様のような若造に、この国を任せられるかっ‼」
ワイングラスをテーブルに叩きつけ、声を荒げる。
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